ミュージカル 東京ラブストーリー 感想

 

 

先日梅田でミュージカル「東京ラブストーリー」を観劇してきました。「鎌倉殿の13人」で源実朝を演じていた柿澤さんの歌声を聴きたいという一心で見に行きました。

皆さんご存知あの「東京ラブストーリー」のミュージカルです。しかし私は全く話を知りませんでした。母親から当時のドラマの結末を聞いてはいましたが、「もしかしたら違う結末になるかも?」なんて淡い期待を抱いていました。たぶん、ドラマと同じような結末で終わったと思います。(ドラマ未視聴なので確証はない)

本当に心底、話だけが受け入れられませんでした。私には合わなかったなぁ。原作とかキャラクター全員が好きな人はあんまり読むのオススメしません。以下ネタバレも含みますのでご注意を。

 

 

 

話の内容はともかく、ミュージカルに苦手意識のある私ですが、すごく楽しく見ることが出来た。だからこそ純粋に話を楽しみ、結果不完全燃焼になったということだなぁ。それだけ物語の世界へ引き込まれたということ。

柿澤さんの歌声目当てで行ったけど、さすがこちらが本職の方、ものすごい素敵な歌声でした。実朝の和歌のように、静かに歌の語尾をか細く伸ばしたり、かと思えば力強く歌い終わりにかけてものすごい声量で歌い上げるなんていう歌い方もされてて、歌での表現力が恐ろしいなと思った。(語彙力)

ちょこちょこと面白いところもあるし、ツッコむときの声量がバカでかくて好き。(褒めてる)例の名台詞「カーンチ!自主規制」って言われたときの表情も良かった!!!いいなぁ、その顔!!こういうのは演劇ならではの演出だよなぁなんて思いながら双眼鏡から覗いてた。

あとやっぱりリカ役の笹本さんがすごかった。「24時間私を見てて」っていう気持ちの歌があるんだけど、これ普通に言葉で言われるとめちゃくちゃ怖いけど、切なげに儚く、でも訴えるように、ひとりのときにこの気持ちを歌にして歌うのよ。悲しい…。カンチお前さんよぉ……。ってなる。

三上は本当にあの…自業自得なんで。ほいほい女性と関係を持ったばっかりに本当の想い人(さとみ)と両想いになるも、君には女性がまとわりつくからさとみが不安になって出て行かれるっていう。けどそのときに寄ってきた(?)長崎さんとくっつくっていう。半ば略奪のように。なんなん。

まぁそういうさとみも黙って三上の元を離れて外でしくしく泣いてるときにたまたまカンチ(リカと付き合ってるの知ってる)が通って慰めてもらうとはどういう神経だという話ですけれども。なんで抱きつくんですかーーー????えーーー?????そしてその様子をたまたまリカに見られないでもらえませんかねーーーー???カーンチ???(激ギレ)おめぇ仕事場でリカにベタベタされたときに「誰かに見られたら…」とか照れてたのにさとみの危機には外であろうと気にしないってか!!!えっ!!!(怖い)

 

1回落ち着こうね私。

 

カンチもさとみも結構似た者同士で、はっきりものを言えないんだけど、相手を傷付けたくないんだよね。それが相手を傷付けてるんだけど。あとね、はっきり別れたわけでもなくアメリカに行ってしまったリカとは自然消滅みたいになってるときにさとみに告白して付き合うことになるのは順番おかしいからな、カンチとさとみ??下手したら沼に沈むぞ?(それは沼部の話)

それでしばらくしてリカが帰ってきて、まずさとみのところに行ってさとみと話するんだけどさ、さとみがカンチのことを「永尾くん」から「完治くん」て呼んでることに絶対気付いたし傷付いたよね。リカ頭いいと思うから。そのあとさとみに「カンチに「約束のことは忘れて」って伝えて」って言うの、最後の悪あがきよね。さとみには分からんけどカンチには分かる、さとみ的にはモヤるやつ。でもまぁさとみもちゃんとそのまま伝えたところは偉いね。そしてその約束を思い出したカンチも偉い。

それで約束の地、アフタートークで柿澤さんが「八幡宮の鳥居だと思って演じてる」と言ってた(ww)愛媛の鳥居がある海辺でリカとカンチは再会するのね。そこでちゃんとお別れするんだけど、最後に1回カンチに抱きついて「まだ離れたくない」って明るく言いつつもカンチから離れるの偉すぎるよリカ…。なにおめぇは抱きつかれてニヤニヤしてんだカンチ。いるはずもねえ公暁を出してやろうか(それは鎌倉殿)。

まぁそんなこんなでおいらたちはこの町(東京)で生きていくぜ!っていう場面で終わるんだけど、ここにリカの姿はないんだよなぁ。それで終わるのが本当に消化不良の不完全燃焼。

もうねぇ、カーテンコールになってスタオベになってるんだけど納得いかなさすぎて「拍手したら終わってしまうがもう話は終わってる、話はともかく舞台としては皆さん素晴らしかったから拍手したいけど、この舞台がこのまま終わってしまう!!!」という葛藤と共に半分泣きながらスタオベ&拍手をしてました。

本当にさぁ、1幕の途中までで良かったんよ、話は!カンチ&リカ、三上&さとみで良かったのよ。カンチとリカのかわいらしい感じの恋人の雰囲気良かったよ。そのままで良かったよ。カンチさぁ……。

とまぁとんでもない感想を並べましたけど、近頃のようにハピエンドラマばっかりじゃないんだぜ、より現実みのあるどろどろドラマだぜ!と言われた気がしますよ。

 

フィクションぐらい夢見させてくれ!!!!!!!

 

これドラマ放送された当時にSNSがあったらどんな騒ぎになったんだろうなぁと、ふと思った。あまりにも私の気持ちが暴れすぎててどうしようもなかったので今回ブログを書いて鎮静させました。

今年最後の観劇がかなり衝撃的な舞台でしたけど、楽しかった。満足です。そして今回で、ミュージカル苦手意識もなくなったような気がします。

そのきっかけになったこの作品には感謝ですし、それを見たいと思わせる程魅力的な実朝を演じた柿澤さんに出会えたことが本当に幸運でした。

カンチに対してキレすぎてるけど柿澤さん目当てで見に行ったのは本当ですしアフタートークの柿澤さんには大いに笑いました。

 

 

 

今回はこれにて!

たぶん今年最後のブログかも!皆さん良いお年を!

 

沼部、陸へ上がる 感想

 

お久しぶりです。

11月の札幌公演から始まったぷらすのとえれきの公演「沼部、陸へ上がる」の感想を綴りたいと思います。私は大阪公演で3回観劇しましたので、そのときの記憶を引っ張り出しながら綴ります。いつものごとく長文かつネタバレ満載です。

 

 

 

 

 

話は、42歳になった海内(エレキさん)と小沢(能登さん)が、海内が奥さんと経営する塾の倉庫で再会するというもの。小沢は大麻使用で執行猶予となり外に出てきたばかり。そこで軽く昔の話になりながら飲んでいると、12年前に発足した「沼部」のことを取材したいという青柳(アオヤナギ/野村さん)がやって来て、12年前のことを伺いたいという。12年前に発足した「沼部」と、今は亡きそのリーダー赤星(野村さん)のことを振り返ることになる。

 

まず、誰が12年前のことを事細かく正確に覚えてるだろうか。そこから疑ってかからないといけないんだけど、それは話が進んでみないと気付かない。そして、それに気付いたとき、この話のなにが本当に起こったことなのかが全く分からなくなる。

 

まず3人の演技力に改めて脱帽。

野村さんに関しては瞬時に別人になるので初見のときは急に場面が変わったことが分かるし、複数回見ると変わる瞬間の野村さんを見れるので改めてすごさを実感した。髪が長いので、それをかきあげる姿がドセクシーです。赤星と青柳のときで身長が変わるのも一種のイリュージョン。(青柳がかなりの猫背)

エレキさんも瞬時に時を越える。急に若返ったり老けたりする。瞬時に老ける人見たことない。12年前の海内の純粋さが本当に残酷。浮かれる海内のかわいさは天井突き抜けてる。かわいい。

能登さんも役的に明るいままではあるけど、現在パートになるとただ明るいだけではなく、ほの暗さみたいなものを感じる。この12年生きてきた重みみたいなものを背負ってる感じが。過去パートになるとそれが急になくなる。今回もまた派手な変わった格好してるけど着こなしてるもんなぁ。

 

面白かったなぁというところをまとめる。

1番最初の沼で生物を探してるとき、最前列の上手に座ってたんだけど、エレキさんに網で足掬われるかと思った。ww「足元を掬われる」ってこういうことかと。www網が足先に触れそうになるレベルの近さでした。

アオハライモリ捕獲時の再現VTRを撮影したときの「ド素人の演技」のバリエーションが3人それぞれ違った棒読み具合で天才だった。あれでも感情入れて言ってるつもりなんだよなぁ。分かる。「素人が演技しようと一生懸命気持ち入れてセリフ言ってるつもりなんだけどめちゃくちゃ棒読みになってる」のが出来てしまう演技力を持つ3人のすごさ。

小沢ビジョンの海内のかわいさが異常。(褒めてる)「わちゃわちゃ」「キャッキャウフフ」っていう効果音がぴったりだった。

カレーぶちまけ事件の全て。実況してる小沢の「それー!それー!」に合わせてカレーを方々に、そして自分の身体にぶちまける海内、それを見ながら「なにを…」と戸惑うしか出来ない実況席にいる青柳の図。大阪初日より、大阪最終日の方がエレキさんのゴリラ度が上がってた気がする。天才の集まりか。

 

過去の沼部のメンバーと同い年の今見れたことはすごくタイミングが良かったのか、そうではないのか。舞台の最後の方に「なんでも俺のせいにするな」っていう赤星のセリフに心が痛んだ。人のせいにしまくって生きてるので、改めないとなぁと思った。30歳から42歳の間に沼部それぞれ色んな日々があったわけだが(赤星は亡くなったけど)、小沢のように、赤星みたいになろうとしてお調子者のまま生きるのか、海内のように赤星とラムちゃんを見返してやろうという気持ちも兼ねて家庭を築いて堅実に生きるのか、人それぞれどうやって日々を過ごして年月が経ってどんな人物になるのか。数年前から人生なにが起こるか分からんなぁと漠然と思ってはいたけど、今回この舞台を見たことで、日々の出来事やその人の考え方で人生どうなるのか予想出来ないものなんだなぁと改めて感じた。

例えば今の私に沼部みたいなことが起こったとしても、これから時が経たないと解決しない、今これから苦しむ日々が始まるのかと想像すると苦しくしんどくなるなぁと思って辛くなったりもした。時間しか解決しないことがあるのは充分知っているけど「今この時」が苦しいのにそれが時間でしか解決しないんだものな。

色々と頭をぐるぐる回転させながら考えることが出来る舞台というのは難しくもあるけど、自分の思考の再発見にもなり、見た人の感想を聞いたりして「そんな考えもあるのか」なんて新たな気付きも得たりするので、楽しいんだよなぁ。

あと、この舞台に関しては、能登さん、エレキさん、そして野村さんでなければなしえなかったんではないかと本気で思っています。演じる側は相当難しかったんじゃないかなと。

本当に本当に良い舞台を見れて良かったです。日が経ってもまだまだ考える余地のあるこんな作品なかなかないかと。素敵な舞台をありがとうございました!!!

 

 

ここから話の展開をダラダラと書いていきます。セリフはほぼニュアンスですし、まぁまぁ省略もしてます。そしてまとまらない。見た人はなんとなく分かる、見てない人には伝わりづらい可能性大です。悪しからず。そして、お食事中の方はお食事後に読んでください。

12年前、高校の同級生3人が同窓会で意気投合して、昔よく行ってた沼に赴き、水生生物を探すというもの。そのときにたまたま見つけたお腹が青いアカハライモリ、通称アオハラを赤星が掬い上げ、その網にいたアオハラを小沢が見つけたことから全てが始まる。アオハラを見つけたことが、まずは地方の新聞やフリーペーパーに載り、次に地方のテレビ局が取り上げ、じわじわと沼部の名前が世に知られていき、最後は全国区のテレビに出演するまでに!すると、ファンレターもいくつか届くようになり、赤星や小沢宛にはそれなりにファンレターが届くのだが、海内には1通、それも特に海内のファンということではなさそうである。

「赤星さんはカッコいい、小沢さんはお調子者、海内さんはダメなところがかわいい」といった文面。

この手紙の主である「ラムちゃん」が沼部の運命を狂わせていく。

手紙には連絡先とラムちゃんの写真が入っている。赤星と小沢は海内を焚き付け、手紙をもらったお礼をその連絡先に送れ、と言う。それから3人はラムちゃんと他愛もないやりとりをし、カレーパーティーをすることに。これがカレー事件である。カレーを食べ終え、海内とラムちゃんを二人きりにさせる赤星と小沢。なんやかんやで話は弾むが、海内は急にお腹を下してしまう。トイレに行きたいとは言えず、そんなうちにラムちゃんが先にトイレに行ってしまい、海内は漏らしてしまうことになる。それをごまかすために鍋に残っていたカレーをそこら中にぶちまける海内、果ては自分にもかける始末。そんな様子を見てしまうラムちゃん。後戻りできずに無言で去る海内。

ところ変わって3人だけ。初めてすごく好きになった人に醜態を見られた海内は「終わった………」と絶望しているが、相変わらず赤星と小沢は海内を励ます。むしろ「ここからだ!」などと言う。なんとか持ち直し、赤星と小沢に担がれ、ラムちゃんに「また会いませんか」とメールを送る。その返事は「うふふ」というものだったのだが。

 

暫くし、ラムちゃんから「会いませんか」というメールが海内のスマホへ送られてくる。後日、沼デートをすることに。海内は約束の15分前から待ち合わせの沼入り口にいる。約束の時間になるも、ラムちゃんはまだ来ず。20分過ぎても来ず。心配になってきた海内の元に小沢から電話が来る。小沢「ネットの記事見たか?」海内「見てないよ!それよりラムちゃんが来ない…」小沢「赤星がラブホデートすっぱ抜かれた!」海内「……は?」その相手がまさにラムちゃんだった。ラムちゃんの素性も判明し、なんとラムちゃんの父親はテレビ局のお偉いさんだった。

その後、沼部の3人が集まり話し合いをする。話し合いというより、海内が赤星に一方的に責める図である。「赤星、俺のこと応援するって言ってたよな!俺が今日、ラムちゃんと沼デートするって知ってたよな!知ってるに決まってる、俺言ったもん」赤星はただひたすらに謝るのみ。カレー事件の少しあとぐらいにラムちゃんとお付き合いするようになった赤星。

海内「俺のこと応援するって言ってたのになんで…!」赤星「…好きになっちゃったんだよ」

そして赤星から沼部を解散しようと提案される。沼部も想い人も奪われた海内は憤るとともに諦めの境地になる。小沢も2人の様子を居心地悪そうに見ていた。そのあと、赤星は「反省しに行く」と言い、沼へ行った。なんだか嫌な感じがした海内も赤星のあとを追いかけ沼へと行くと、赤星が沼に沈んでいた。

 

というのが海内の記憶。ここで青柳が「自分は赤星の弟であり、あの明るい兄が自殺するとは思えない。海内が突き落としたのでは?」と衝撃の告白と共に、海内に疑ってかかる。

 

再び沼でやりとりする赤星と海内のシーン。既に沼の中に着の身着のままで入っていた赤星に海内が「なんの装備もなしに入って!危ないぞ」と声をかける。そこから2人のやりとりが始まる。

海内「ラムちゃんから聞いてたんだろ。あいつと一回デートしてやるんだ、とか」赤星「聞いてないよ」海内「俺だけラムちゃんから連絡来てないから、宙ぶらりんの状態なんだよ」赤星「知らないよ」

赤星「『気持ち悪い』って!」海内「きも……え?」赤星「1日に20通メールするのは怖いって」海内「送ったとしてもせいぜい10通くらいだよ!だって返信来ないから!不安で!!」赤星「好きでもない奴からそんなにメール送られたら、怖いだろ…」海内「そんなことないよ!ラムちゃん、俺のこと好きだったと思うもん」赤星「じゃあ『好き』って言われたことあんのかよ?」海内「手紙に…かわいいって…」赤星「『かわいい』は『好き』じゃないから」海内「でも赤星が…」赤星「ああ。俺が言ったよ。かわいいって書いてるな、って。その気にさせたのは俺が悪かった」海内「…そうだよな!俺悪くないよな!?」赤星「ああ、全部俺が悪かった」

そんなやりとりのあとに足を滑らせて沼に沈む赤星。

 

再度現在に戻る。海内は「違う。話なんてしてない。最後に赤星は…笑ったんだよ」小沢「なんで…」海内「分かんないよ!なんで笑ったんだよ!」

 

そしてまた先ほどの赤星と海内のやりとりの場面が再生される。少しセリフが違っていたりする。赤星「生きてて上手くいかないことを全部俺のせいにするのは、もうやめろ」小沢「そりゃそうだ…」海内「…うん」

 

そして現在に戻る。先ほどのように青柳が海内を疑っていた様子は微塵もない。そのときに、海内が「今気付いたけど、2人(赤星とラムちゃん)に対する復讐みたいな感じで、結婚して子どもも出来て、家庭を築いたのかもしれない」と。小沢は思わず「最低だな」と。海内も「だから、ちゃんと向き合います。奥さんと。」と。そして青柳は帰り、飲み直す小沢と海内。

小沢「浮上してみようぜ」海内「陸、目指してみるか」

 

 

 

今回はこれにて。

 

 

ダブリンの鐘つきカビ人間 感想編

 

やっとこさ感想を書きますよ。各キャラクターの感想と全体の感想を書けたらなぁとは思ってますがどうなるやら。

 

カビ人間(エレキさん)

かわいい。ずっとかわいい。まず帽子がかわいい。いいカビ具合ですこと。帽子を取って丁寧にお辞儀する姿勢がキレイ。純粋。能登さんの市長の頭をはたいたときは「のとえれき…」と思ったけど。初めて登場したあとにハケるときの腕がふらんふらんしててかわいかった。およそエレキさんはそんな動きしなさそうな動きでかわいかった。演じてるのはエレキさんだけど。もう1回見たい。おさえちゃんに初めて声をかけるときに柱の陰に隠れるいじらしさ。でも四葉のクローバーのある場所を教えてあげる優しさ。最初に声をかけるときの遠慮がちに近付く感じ、下手すると不審者っぽくなるのに単純に慣れてなくてオドオドした感じで、怖がらせるつもりじゃなくお話がしたいだけという純真さが全面に出ててすごかった。教会に閉じ込められたときに「来て」「触って」と言われたときの困惑ぶり。全て純粋。なんの下心もない表情で。帽子を常にかぶってるから照明の具合で目元が影になってこれまた哀愁が漂って見えたりする。これだけかわいいと言いながらも、過去の悪人だった頃も想像出来てしまう演技をなさるんだからすごいもんな…。

鐘をつくときの「ただいまお昼の10分前!ただいまお昼の10分前!お昼になるまであと10分!この町はあと10分でお昼に入ります!このお昼を逃すと次のお昼までお昼は抜き!皆さん、お気をつけてーー!」(ニュアンス)のリズム感が好き。

おさえちゃんを庇って釈放されあとにジジイと話すときに階段に座って足をぷらぷらさせてるのもかわいい。年齢の概念がないから分かりにくいけど、発病前は「美少年」だったというからまだ結構若いんだろうな、と。

何度か帽子をくるくる回転させてかぶるっていうのをやってたけど、あれめちゃくちゃ難しいので階段登りながら成功させてたエレキさんすごすぎる。

「ぼくは、とっても、おさえちゃんが好きだなぁ」の言い方が、遠慮がちに、強制的に聞かせるわけではなく呟くように、でも言わずにはいられなかったから口から出てきたような、そんな切ない告白がこの世にあるのかと思った。これ本当に呟くように言うので意識してないと告白だということに気付きにくい。(個人の感覚です) 

また、撃たれたときの倒れ方がガチなのよ。バターン!!って。それでかぶってた帽子がハラリと下に落ちるのよ。その画がもう切ない。本当に、セントスティーブンスデイに鐘ついてほしかったな……。(

 

おさえ(2号さん)

長身のおさえちゃん。すらっとしてた。バレッタ似合ってた。かわいい。思ってることと反対の言葉しか喋れないのは知ってたけど、絶妙に口が悪いのがツボった。つまり発病前はお上品な物の言い方をするお嬢さんだったんだろうなぁ、と。「お前」ってカビ人間のこと呼んだりしてたけど、本当は「あなた」って言いたかったんだろうな。最後の「奇跡なんてクソくらえ!ポーグマホーン」なんてさ、何故だか言葉通りに私は受け取ってしまったんだけど違うよね。「奇跡よ起こって!」って意味だものね。奇跡は起こるんだよね、おさえちゃんのおかげで。おさえちゃん……。

 

市長(能登さん)

悪い。全ての元凶。でも何故か憎みきれないキャラクターなのが不思議。神父との黄金バッテリー(何故かライト&レフト)。能登さんの金髪(カツラ)姿を見れる日が来るとは思わなかった。ビジュアルが爆裂にイケすぎてた。侍従長(遠藤さん)に「普通なら乗り物から降りるはずでは?」って言われたあとの超絶早口拒否は面白すぎたなぁ。さすがの能登さんといったところ。そのちょっと前に「王の謁見(?)よりも大事な用があるのか!」と詰められたときの「…はい~」の言い方!!!嫌みったらしい言い方よ…。嫌みったらしくもあり、どこか色気さえも感じたよ。なんだこの人…すごいな…。そしてだいたい悪い声で神父と笑って去っていきがち。なんだその濁点がついた声。本当に能登さんから発されてるのか?と思うほど。

それと対照的なのが現代パートの市長(老人)。大きなブロンドっぽい色のガウンを羽織って座ってる。それだけなのにものすごい貫禄と、この世の人ではない感があった。架空の人物って感じ。このときの為にあのヒゲは必要だったんだなぁと思った。結局、病気が治って死ぬことはなくなったけど、今度は逆に死ねなくなったということなのよね。(これはのとえれきご本人とフォロワーさんのおかげで理解出来ました)うーん。「自分はセントスティーブンスデイの正午10分前の鐘を聞くと死んでしまうからその日は鐘をつかないでほしい」ってちゃんとカビ人間に伝えればカビ人間も承諾したと思うよ。高すぎたプライドが市長を死ねなくしちゃったんだよ。きっとね。だからって他人を巻き込むな。ひとりで静かに生きてて。(辛辣)

 

真奈美と聡(もがさんと櫻井さん)

いいなぁこのコンビ。安定のyhs感。もがさんのボケ(の役)ってあんまり見たことない気がする。そんなに色々見てるわけではないから分からんけど。櫻井さんの小物感もとても良い。真奈美と戦士に守られてる図が最高だった。あともちろんエルヴィス櫻井。舐められながら歌う表現上手すぎますて。

ジジイ(A氏次さん、B伊達さん)

Aの氏次さんジジイは杖1本でスローペース。Bの伊達さんジジイは杖2本でテンポも早め。侍従長に挨拶するときにほぼ五体投地になった伊達さんジジイ面白すぎた。それに倣う侍従長もしかり。若者言葉習わされるときの「えぇ…」ともなんとも言えない戸惑いの声がすごい好き。どちらのジジイも。氏次さんジジイの方がなんとなく優しさ成分多めな感じがした(個人の感覚)。

戦士(A井上さん、B石川さん)

どことなく漂うおバカの雰囲気。井上さん戦士はおさえちゃんよりも背が高くて絵になってた。石川さん戦士はおさえちゃんを抱き寄せたあとに思いっきり背中トントンしてた気がする。トントンって音聞こえたもん。石川さんが殺陣指南だと聞いてたのでそこはさすがでした。井上さんももちろんすごかった。

侍従長(遠藤さん)

最初めっちゃカッコ良かったね!!すごい真面目な規律正しき侍従長…。植木鉢直撃してから昆虫博士になっちゃった…。というかその変わり様がすごかった。2面性というかなんというか。途中場転シーンでは素の遠藤さんで出てきてたし、遠藤さんファンにはたまらなかったのでは。

神父(キタラさん)

圧倒的イイ声。すごく聞きやすい。からこそミサの読み聞かせも耳に心地よいから献金しそうになる~。市長と企んで楽しんでる感じがまさに小悪党。神に仕える職業に向いてなさすぎる。その市長とのコンビ最高だった。ザン!ザザザザンッ!

市民たち

役者さんたちのお名前は表記しなかったけど、天使くんは一人称が「おいら」だったから男の子だろうなぁってすぐ分かった。けどすごいかわいらしいよね。歌声も素敵。とまり木さん絶対いい人っていう見た目なのに天使くんと協力してカビ人間を教会に閉じ込めるのよ。いらんギャップ…笑。目玉さんの訛り。なんで九州訛りなのか一生気になってる。自分の手にびっくりしてるのいつも面白い。杜花さんはツノ生えてる市民の他に賢者もされててメイク変えるのめちゃくちゃ大変だなぁと思ってた。賢者の話をすると、知恵比べのあとの急な性格占いみたいなことやられて戸惑う様子がめちゃくちゃ良かった。強烈な見た目してるのにめっちゃ焦ってるギャップ。耳の大きかった市民の寺元さんは森の司会者でもあって、あの階段の一番上で足場も階段の幅しかないであろうところでジャンプしたりしててすごかった。絶対怖いもんな…。

王(大王)

王様だーーっ!て登場したとき思ったのに喋ったらめっちゃ普通のおじさんの喋り方で笑ろた。王なのに偉そうに出来ない奇病だからね。そして王の挨拶がいつも違う話で話題の豊富さに驚く。そしてもれなく面白い。王以外にも天使(ガチ)の格好で出たり中村さんで出たりしてて大王が出てくるシーン全部好きだった。同じ大阪にいらっしゃるのかと思うとソワソワするね(しない)。

 

各キャラクター(役者さん)で語ってもこの長文になってしまいました。総じて切ないお話だったなぁと個人的には思います。笑えるシーンもたくさんあるんだけど、それの反動もあるのか最後の展開がより切なくて悲しくて。

今回は体調不良により本来おさえを演じるはずだった田中温子さんが降板になってしまったし、Wキャストで真奈美役だった2号さんが代役でおさえになったことで、このおふたりの本来の役を見てみたいなぁと思ってます。いつか再演されることを切に願います。田中さんはこの公演の発起人でもいらっしゃいますし。是非とも。

それももちろんあるし、私はまたこのダブリンに生きる人々に会いたいのです。

本当に素敵な素晴らしい作品に出会えたこと、幸せに思います。観劇出来て心底良かった。

 

今回はこれにて。

 

 

ダブリンの鐘つきカビ人間 物語編

 

お久しぶりです。

先日、札幌にて2020年に公演予定だったがコロナで中止となり、満を持して公演された「ダブリンの鐘つきカビ人間」を観劇してきました。

長いので、物語と感想を分けて綴ろうかと思います。もはや自分の記憶のための文章。

ほぼネタバレ。見た人は分かるけど、見てない人にも伝われば幸いですが、いかんせん覚えてるところは細かくなりそうだし、覚えてないところももちろんあるのでめちゃくちゃになる可能性大。ご注意を。過去1の長文。

 

 

旅人の真奈美(最上怜香さん)と聡(櫻井保一さん)は深い霧の森に佇む1軒の屋敷にいる。そこには老人(能登英輔さん)がひとりで住んでいる。ふたりはその老人から昔、この場所にあった市の話を聞くことになる。

 

市民の9割が奇病にかかっている。3キロ先まで見えてしまう者(大原尚峻さん)、指先に小鳥がとまる者(Romanさん)、背中から羽が生えている者(丸山琴瀬さん)、果てはこの国の王(後藤ひろひとさん)までも「偉そうになれない」奇病を患っている。そんな王が、市民に対し「奇跡を起こせるという剣を取ってきてほしい」と言う。

ちなみに、この奇病が蔓延しているために、市を封鎖し、市の周りには厳重に警備する者や怪獣が解き放たれているという。

この物語に旅人として紛れ込んだ真奈美は率先して奇跡の剣探しに立候補する。そこに若かりし頃の老人こと市長がやって来る。市長は旅人に対し、やれ滞在税を払ってない、水道税を払ってないなど言うが、それは王家が支払うということで旅人たちは剣探しの旅に出る。そんな旅人たちのことで市民がザワザワする中からカビ人間(小林エレキさん)が現れる。

突如として現れたカビ人間から距離を取る市民たち。名前の通り、身体中がカビの人間なのである。カビ人間は、正午の鐘をつく為にやって来たに過ぎない。カビ人間は、発病前までは誰もが見惚れる美少年であったが、中身はかなりの悪人であった。男女問わず騙して金を盗り、子どもからまで飴玉を奪う。そんな人間だったが、この奇病により、醜い心は外側に、美しい見た目は内側にと変わってしまった。今では誰もが彼に近寄らない。

そんなある日、カビ人間の職場である鐘つき堂にひとりの娘がやって来る。四つ葉のクローバーを探している様子。カビ人間はその娘に声をかける。カビ人間に驚くその娘の名はおさえ(小島梨紗子2号さん)。逃げるように去って行ってしまったおさえ。ひとり残されたカビ人間の元におさえの婚約者である戦士(A・井上嵩之さん、B・石川哲也さん)が来る。「おさえちゃんになにも手を触れたりしていないか」と。「触るなんてとんでもない」とカビ人間も答える。そのままおさえを追っていく戦士。

場所は変わり、おさえの自宅。おさえの父親であるジジイ(A・氏次啓さん、B・伊達昌俊さん)とそこに来る戦士。先ほどのカビ人間とのやりとりを話す。そこに自室にいたおさえもやって来る。実はこのおさえも「思っていることと反対のことしか喋れない」奇病にかかっている。このとき、神父(キタラタカシさん)がやって来て、戦士に旅人たちが探している奇跡の剣「ポーグマホーン」を旅人たちに渡してはいけないと吹聴する。奴らは邪教団で、その剣で支配しようとしていると。その気になり剣を探しに行く戦士。(例のウマに乗って)これは実は市長の策略で、悪友である神父に頼み、旅人たちに奇跡の剣が渡らないように言ってくれないかと頼んでいた。

一方、剣探し中の真奈美と聡。ここで仮面の戦士と戦うことになるが、あっさりと勝利する真奈美。そのまま森を突き進んで行く。

教会でのミサ、神父によるミサが行われている。ミサ終了後、教会に入ってくるカビ人間。ミサに参加していた市民はカビ人間に驚き、急いで出ていく。その時に教会の外から鍵をかけてカビ人間を閉じ込めてしまう。そこに、教会の奥にいたらしいおさえが来る。「閉じ込められちゃったみたい」と話すカビ人間におさえは「来て!」と。おさえの病気を知らないカビ人間はとても驚く。好き好んで自分に近付く者などいないのだ。戸惑うカビ人間になおも「こっちに来て!」と言うおさえ。戸惑いながらも言葉の通り受け取るカビ人間は恐る恐るおさえに近付く。今度は「私に触って!」と言うおさえに更に動揺するカビ人間。「触って」と言うおさえに控え目に、優しくそっとおさえの頬に触れるカビ人間。すぐに離れるおさえ。「みんなぼくのことを避けるのに、どうして?」と問うカビ人間におさえは「あなたがカッコいいから!バラのように美しいから!」と叫ぶ。その言葉もそのまま受け取ったカビ人間は目を大きく丸める。その後、外から神父が鍵を開けて教会に入って来て、そのまま出て行こうとするおさえに「また、会える?」と聞くカビ人間。首を振りながら「ええ」と言い出て行くおさえ。カビ人間も放心状態のまま出て行く。

その頃の戦士。森を警備する1人である賢者(佐藤杜花さん)と知恵比べで対決する。無事になんとか勝利し、戦士はその道を通り、賢者は去る。そのすぐあとを真奈美と聡も通るが、通ったあとに「今誰か通った!?」と賢者が再登場するも時すでに遅し。

場所は変わり、おさえの自宅に王の使いで侍従長(遠藤洋平さん)が訪ねてくる。ジジイが応対し、王から奇病を患う市民に少しばかりの心遣いを、と伝えそれをジジイに渡す侍従長。ジジイは36歳なのにとても老けている奇病。それに発病前に目が見えなくなっていた。侍従長はそれを哀れみ、自分からも、とわずかなお金をジジイへ渡し去って行く。そこに入れ替わるようにカビ人間が訪ねてくる。手に小さな黄色い花を持って。「おさえちゃんいる?」とジジイに問うカビ人間に、「会えないよ、帰りなさい」と諭すジジイ。それでも「会いたいなぁ」と言うカビ人間。その様子が聞こえていたのか自室の窓からおさえが「来て!」と。カビ人間はそのままおさえの部屋がある2階へ上がろうとするがジジイに止められる。なおもおさえは「来て、早く来て」と言っているが、思っていることが言えずについには泣いてしまう。その様子を見たカビ人間は「どうして、泣いているの…?」と戸惑うばかり。ジジイから再度、帰るよう促され、カビ人間は手に持っていた花をジジイへ手渡し、おさえに渡すよう伝えて去る。おさえは以前にもカビ人間から貰った花をジジイが鉢植えに植え替えた植木鉢を持っていたが、自分の奇病に苦しみ、欲しくもなかったその植木鉢を窓の外から放り投げる。

これがふたりの運命を変えることになる。

その植木鉢が侍従長の頭に直撃したらしく、侍従長は頭がイカレてしまった。市では犯人捜しが始まる。焦るおさえをよそに、噂好きの天使の市民らが犯人の名を言おうとしたタイミングでカビ人間がやって来て

「ぼくがやりました!」

と叫ぶ。驚く市民たち。取り囲まれるカビ人間。カビ人間はそのまま連れて行かれることになる。

ここで1度現代パートへと戻る。すっかり話にのめり込んでいた真奈美と聡。このとき(か序盤か忘れたけど)聡が手にしていた剣は老人の物なので返すことに。(気になって勝手に持ち出していた悟)そして話はまだまだ続く。市長であった老人によると、カビ人間は、たいそう殴られはしたが、死刑にはならなかった。そして釈放されたカビ人間は笑っていたという。

釈放されたカビ人間が鐘つき堂へ来るとそこへジジイがやって来る。「傷はどうだ」と。そのとき、カビ人間は牢屋で隣の人が話していたおさえの病気のことを初めて知ったという。ジジイは気を使ってカビ人間にそのことを伝えていなかったのだ。しかしカビ人間は「これですっきりした」と。「だってぼくのことを『カッコいい』『バラのように美しい』なんて言う人はいないから」と。それでもカビ人間はニコニコしている。そして「あなたはぼくを嫌わないね?どうして?」と問うカビ人間。「嫌う理由がない」とジジイは答える。目が見えないのでカビ人間がどういう見た目かを知らないジジイは見えなくなった分だけ違うものが見えるようになったと言う。話をしているうちに、カビ人間はふと「ぼくは、あなたが目が見えていたときを知っているかもしれない」と。「悪い奴に騙されて、薬を飲んじまった。運がなかったのさ」とジジイは言う。「それは……ぼく?」「…もっと醜い奴だよ」そのまま去って行くジジイ。

ところ変わって市長と神父。なんと、市長は「来たるセントスティーブンスデイに正午少し前につく鐘を聞くと死ぬ」という奇病にかかっていたことが判明。さてどうするのか…。

カビ人間の元におさえがやって来る。自分のために身代わりになったカビ人間を心配する。病気のことも知ったカビ人間はおさえの言葉を反対に訳し、ワケを話す。何故おさえのことを庇ったのか。「きみの病気を知らなかったから」「カッコいい、バラのように美しいって言われて、すっごく嬉しかった。あ、今でも嬉しいままだよ」とニコニコしながら話すカビ人間の頬の傷に気付いたおさえは「いい面構えよ。ぶん殴ってやるんだから。覚悟しなさい」と言い、すぐには変換出来ないカビ人間は混乱しながらもされるがままに、おさえはカビ人間の頬にそっと触れる。最後におさえから花を受け取るカビ人間。ルンルンニコニコのままカビ人間は鐘つき堂の上にのぼり、おさえから貰った花をいつもかぶっている帽子に飾る。

そこへ、市長と神父がやって来る。カビ人間にセントスティーブンスデイに鐘をつかないよう頼むために。ただ、プライドの高い市長は自分が病気であることは言いたくない、だが鐘をついてもらっては困る。なのでカビ人間に折衷案として正午ちょうどに鳴らさないかと提案するもカビ人間は却下。みんなお昼の準備をしなくちゃいけないからお昼ちょうどについてたらダメだという。鐘つきという仕事に責任感のあるカビ人間はそう言って去ってしまう。

さて、森を行く真奈美と変な生き物の扮装になってしまった聡(ザリガニのハサミに恐竜の尻尾に頭からなんか生えてる)、ついに戦士と対面。真奈美と勝負をするが共に斬ることはしなかった。戦士曰く、剣を交えればその者がどういう者か分かるという。そして真奈美たちは邪教団ではないと気付く。気付いた戦士は騙した神父に怒りを覚える。そして3人は協力してポーグマホーンを探すことになる。

来たるセントスティーブンスデイ、神父は教会に火を放つ。市長からの命で教会に火を放ち、その罪をカビ人間にかぶせて鐘をつかせないようにするためである。その為に、市長は噂好きの天使にこういう風に噂を流すように指示する。教会からすぐ離れる市長と神父。その場ですぐに噂を流す天使。噂は火の回るスピードのごとく市民に知れ渡る。その場におさえもやって来るが、カビ人間の仕業ではないと言いたいのに、出てくる言葉は「火をつけたのはカビ人間だ!」市民から「あんたはカビ人間に付きまとわれていただろ、どうしたい。殺すか?」と聞かれ、おさえは首を振りながら「殺して!」と。事態は悪化していく。鐘つき堂に武器を持った市民があふれかえる中。

再び森。謎の番組が始まる。真奈美と戦士と、カッコいいものをイメージしたらエルヴィスになってしまった聡。そこで森の司会者(寺元彩乃さん)が現れる。なんでも、見えない怪獣を倒すのが1stステージ。これをクリアし2ndステージもクリアしないとポーグマホーンが手に入らないという。見えない敵に苦戦する真奈美と戦士だが、エルヴィス聡が「ラブミーテンダー」を歌ってなんとか退治。2ndステージも聡の活躍でクリア。無事にポーグマホーンを手に入れる。戦士がポーグマホーンを持って真っ先におさえちゃんに伝えに行く、と走り去る。

ここで場面転換シーンが思いっきり挟まる。斬新だ……。

カビ人間の笑い声、おさえに連れられ、とある場所にやって来る。教会が燃えたらしいからちょっと見に行ってみようよと言うカビ人間に、必死に訴えかけるおさえ。そこで自分が犯人だと疑われ、みんなが自分を殺そうとしていると知る。しかし、自分はやっていないのだし、裁かれることはないと言い切る。そして神様はどんなときも自分を見守ってくださってるのだから大丈夫だと。それに、鐘をつかないと自分はこの市にいる意味がない。だから自分は鐘をつきに行くよ、と。去ろうとするカビ人間はおさえに言う。

「ぼくは、とっても、おさえちゃんが好きだなぁ」

そう言いカビ人間は鐘つき堂へ。おさえは天を仰ぐ。

そこへポーグマホーンを持った戦士が。そして神父もやって来る。おさえを後ろに避難させ、神父の手下兵士と戦う戦士。ちなみにこのポーグマホーンは1000人斬ると奇跡が起こるのである。戦士は神父の手下兵士を斬り残り2人。神父も倒そうとするが、神父の手には拳銃。2発撃たれてしまうも、弾のスピードを見定め剣で跳ね除け、最終的には神父を刺し、999人。そしておさえにかけよると、おさえはそのポーグマホーンを戦士から奪い取り、走り去る。追いかける戦士。

場所は変わり、鐘つき堂。市長が市民を煽り、カビ人間が来たら処刑するよう演説していた。そこに真奈美と聡(普通の格好に戻ってる)が来る。カビ人間の仕業ではないということを市民たちに訴えるも誰も聞かない。聞かないではなく、2人の姿は市民には見えていない。2人はあくまで物語を聞いているに過ぎないからである。そこに、ジジイが来る。ジジイは市民たちに本当に見たのか?と聞いて回るが誰も聞く耳を持たない。そのままジジイは市民によってその場から連れ出されてしまう。

ここで、物語上の市長が現在の老人の顔(表情)に変わり、真奈美と聡に「お聞かせ出来るのはここまでです」と言うが、こんなところでやめられてたまらない2人は最後まで聞かせてほしいと言う。そして話は続き、武器を持つ市民が集まる鐘つき堂に、その人、カビ人間はやって来る。

おさえから事情は聞いているものの、日々の仕事である鐘をつく為に階段を上るカビ人間。そこへおさえが来る。殺さないでという意味で「殺して!」と叫び、頭のイカれた侍従長が返事をし、銃を1発カビ人間に当てる。もう1度「殺して!」と叫び、侍従長が撃つ。頂上で倒れるカビ人間。少しして立ち上がり、おさえに声をかけられると「おさえちゃんだぁ…」と嬉しそうに呟く。

ここでおさえはありったけの愛を叫ぶ。「地獄に落ちろ、カビ人間!」「お前はみんなからとても愛されている!」「でも私だけはお前を憎む!」「私はお前が大嫌いだ!」最後に、手に持っていたポーグマホーンを天にかざし「奇跡なんてクソくらえ!ポーグマホーン!」と言って、自分を刺すおさえ。それと同時に侍従長にもう1度撃たれてその場に倒れるカビ人間。帽子がパサリと下に落ちる。その途端、市民を脅かしていた病気はなくなり(天使は羽が落ち、3キロ先が見えていた者は普通に見えるように)、倒れたおさえの元には戦士、そして年相応の若さに戻ったジジイの父親。カビ人間は鐘つき堂の上でひとり倒れたまま。物語はここで終わる。

現代パートへ戻り、ポーグマホーンを手に持つ老人。横には抱き合うようにして座る真奈美と聡。老人は、今もセントスティーブンスデイに鐘が聞こえるがいっこうに死ねる気配がないという。この深い霧の中、もう鐘はないのに。そして老人が剣を2度構えると抱き合っていた2人の旅人が倒れる。

暗転。

 

 

ここまでよく読まれたあなたはすごいです。

感想はまた次の更新で書くことにします。

 

葉桜とセレナーデ 感想

 

 

恐ろしく日が経ちすぎました。もうひとつの舞台の感想も書きたかったけど、致し方なし。

久しぶりに舞台の感想を綴ります。

 

先日7月15日から18日まで札幌で公演していました、のと☆えれきの「葉桜とセレナーデ」の感想を綴りたいと思います。長文になりますのでご注意を。ネタバレももちろん満載です。

※今回、能登さん、エレキさん、どちらも役名がないので、「能登さん」「エレキさん」と表記することになります。

 

 

このコロナ禍での、とある産婦人科の駐車場が舞台。妊婦以外はこの駐車場で待つシステムとなっている。そこに1人、椅子に座って待っている父親がいる(エレキさん)。そこへ、中で入院している妊婦からの荷物を届けにきたもう1人の父親(能登さん)。能登さんは荷物を病院の受付まで持って行き、すぐに駐車場へ戻ってくる。そこで、他人同士のなんとも言えない会話から2人の「父親」の物語が進んでいく。

ザッとしたあらすじはこんな感じ。

302号室に入院してる妊婦さんというのが、「かこちゃん」というお名前。その旦那さんは「大石」(漢字は不確か)。

簡単に言うと、かこちゃんは中学生の頃に母親に出ていかれ、おじいちゃんの元で育つけどそのおじいちゃんも高校生の頃に亡くなり、喪主まで務めた。その高校生のときにバイト先として雇われたのが能登さん夫婦が経営している居酒屋だった。ちなみに物語の今現在、かこちゃんの旦那の大石というのはコロナのせいもあってフラフラしていたが、いざ妊娠が分かったとなり、仕事に就いたりもしたけど向いておらず、違法の漁をして逃げている状況。

能登さんは、かこちゃんがバイトとしてやって来た高校生の頃から親身にお世話をしていた。言うなれば「父親代わりの人」。かこちゃんも、能登さん夫婦のことを「本当のお父さん、お母さんみたい」と言う程。

対してエレキさんは、かこちゃんの「実の父親」。元妻(かこちゃんの母親)と結婚していたものの、仕事がどうにもならず1度東京に1人戻り、仕送りもしていたが段々おろそかになり、ついには元妻から離婚届が送られてサインしそのまま…。つまり、父親になることが出来なかった人。

 

ここからは能登さん、エレキさんの個人の感想も混ぜていきます。

能登さん。この人は陽気な感じの人なんだけど、いざ子どもを持とうと思ったときには色々頑張ったが出来なかった人。それを「残念だ、仕方ない、じゃなく、これが俺たち家族の形なんだ」と言ったときの説得力たるや。それを父親になれたくせに父親にならなかった人物に訴えるんだもの。辛くて仕方ない。それを聞いている父親になれなかったエレキさんも辛い。が、それが事実。反論の余地はない。

光が強い分、隠された闇がものすごく濃い。でも、後半言いたいこと言って和解みたいになるんだけど(面白いシーンのひとつ)、そのときに言ってたのが「あなた(エレキさん)がいたから、かこちゃんに出会えた」って。そんなこと言える…??人が良すぎる。まぁ序盤のエレキさんの雑な「警察だ(嘘)」も何故か信じてたし(最終的には嘘って分かってたけど)。

また後半別のシーンでは、チェッカーズのメンバーの指摘をする前に(序盤にエレキさんがチェッカーズのメンバーを言ってた)前髪をこよりにしてたときの寄り目が可愛かったですね。あとは謎の腕を鍛えるときの腕の筋がバキバキでしたね。能登さんファンの皆さん大丈夫だったかな?私はなんとか持ちこたえた。「男」じゃないか…(どういう感想)。

 

エレキさん。最初からずっとソワソワしてる。当たり前なのだが。実の父親とバレたくもないけど、妊婦である実の娘の様子も気になる。娘に覚えられてもいないけど、これからはなんとか娘の力になりたいと思って元妻から聞いたこの産婦人科に来た。能登さんが離れ、入院している娘と窓越しにやりとりするシーン。エレキさんの語りだけで、病室にいるかこちゃんの表情まで想像出来た。エレキさんの語り口も「実の父親ではあるけれど、お腹の頃の写真でしか知らない今はすでに成人した女性の娘を見て、父親らしいことをしたいけど、どこか他人行儀な物の言い方になってしまっている」のがさ、すごいよね。あまりにも優しすぎる語りかけが、まさに。接し方が分からない感じが。「哀愁」っていうのがハマりすぎてた気がする。

エレキさんの「パワー」は端々に今回感じられた(前回見た舞台ではエレキさんのパワーが封印されてたので)。このエレキさんが、泣いてもよさそうなシーンで、頬に一筋光るものが見えて、「え、泣いてらっしゃる…」って感動しかけた2秒後に「いや汗か?」って思ってしまったけどどうだったんだろうか。真実はエレキ汁のみぞ知る(帰れ)。

 

あとはやはりこの2人が合わさったときの勢い、間、空気。相撲までの流れも素晴らしい。エレキさんが「なにこれー-!?」って言いながら能登さんに向かってめっちゃ突進していったのは本当に死ぬほど笑った。

出産を待つ父親のソワソワ感を表した動きをシンクロさせるのも息ぴったりでさすが。腕組み、左足を組み、反対に組み変え、左後ろを向き、前を向いてほっぺたをぺちぺち。

全体的には複雑な思いなんだけど、どこか考えさせられるし完全に他人事でもないし誰にでも起こる可能性はあるし、観劇する側の人生経験によっても感想が大きく異なるんではないかという舞台でした。とても良かったです。

笑わせるところでは全力で笑わせ、聞かせるところではこちらの心を切り刻むかのように訴えかけてくる。このすさまじい緩急がのと☆えれきの真骨頂だと思います。

 

寒ささえ感じた真夏の札幌で、どこか哀愁を漂わせながらも心温まる舞台を見られたこと、幸せに思います。本当にお疲れ様でした。素敵な舞台をありがとうございました。

 

今回は、これにて。

 

 

祖父

 

お久しぶりです。2022年始まってとてつもないことが起こっており、ブログを書くとかの暇がありませんでした。

年明け数日後に起こったこと、それについての私の気持ちを吐露します。ただの記録。記憶。

 

 

2022年1月中旬に、母方の祖父が亡くなりました。生きていれば今月誕生日でした。

親族の中で1番好きな人です。

知らせを聞いたとき、若干キレました。教えてくれた母親が1番衝撃を受けてると思うのに。「なにを言ってるんだ?」と思いました。

その後すんなり寝れるはずもなく号泣。翌日仕事が休みだったので祖母の家に向かいました。(隣の市なのですぐ行ける)到着するとちょうど祖父が帰ってきたところでした。……寝てるやん。寝てるだけでしょ?母親曰く「じいちゃんまだ寝てると思ってるで」と。眠るように亡くなった感じで、なんなら口角も上がっていて、実にじいちゃんらしい顔でした。

母の実家には小学生の頃は夏休みと冬休みに必ず遊びに行っていました。中学生の頃には母の実家でじいちゃんと一緒に大きめの本棚を作りました。私は工作や技術が好きで、日曜大工が得意なじいちゃんに手伝ってもらいながら製作したものです。1番最初に製造業で就職したときにはすごく喜んでくれました。今は販売業ですが、販売業になったときは逆に残念がっていたので、そこは申し訳ないなぁと思った次第です。(でもその後店に覗きに来てくれました)

じいちゃんに限らず、ばあちゃんにもですが、怒られた記憶が全くなく、自由に遊ばせてもらったなぁと思います。この前お葬式後に家に行ったとき、仏壇にある過去帳を見て「確か私と弟、昔これ(過去帳)に落書きした気がする…」と思い出して見たところ裏面になんか書いておりました…。さすがに大人になった私は「昔の私なにしてんのよ!!!」と戦慄したのですが、じいちゃんであれば「裏面ならいいで」と言いそうなのです。言われた気がしないでもないのです。いかんせん大昔の話なので記憶は定かではありません。母親にこのことを言ってみると「じいちゃんは、過去の人間より今生きてる人間(孫)の方が大事や思ったんちゃう?」と。器が大きすぎるのです。そして子どもが本当に好きな人だったそうです。本当に色んなところへ付いてきてくれました。山ほど遊んでもらいました。

最近こそ、正月に夕飯を食べに行く、ぐらいしか行けていませんでしたが、それでもいつも元気なじいちゃんがいました。一緒に住んでいないので、今でも家に行けばいるんじゃないか、「おー、なっちゃん来たか」と言ってくれる気がしています。家にはじいちゃんが作った日曜大工の物であふれかえっています。

 

お葬式の前、じいちゃんの身体を洗ってもらったり、旅支度(あえてこう言います)をしてもらっているときに急に閃きました。

(旅行先で買ったお土産だが)自宅に六文銭がある。これを棺桶に入れてもらえないだろうかと。

棺桶にはリアルの硬貨は入れられないので、葬儀屋さんが六文銭を印刷した紙をじいちゃんの懐に入れてくれていたのです。ならば土産物とはいえリアル六文銭(硬貨ではない)を入れてもらおうか!と。

許可をいただいたのでお葬式のときに入れました。

じいちゃんなら言うだろうな。「それなっちゃんの物やろ。じいちゃん大丈夫やからいらんで」と。でもじいちゃんなにも言わないんだもの!!!!言ってくれないと!!!!言わんのだからじいちゃんに持って行ってもらうもんねー------!!!!!という心境でじいちゃんに渡した次第。

 

少し話は変わりますが、大泉エッセイを読み返しました。洋ちゃんもおじいさんが大好きで、そのときに書かれた文章にめちゃめちゃ共感したのです。

これは夢じゃないか

私もじいちゃんが亡くなってから数日間、「実は夢でした~ってやつじゃない?」と思うのですが、毎朝起きるたびに「夢じゃ、ないのか」と絶望していました。その期間は「じいちゃんがいない世界で夜遅くまで起きてる意味ある?」とまで思い、ここ数年ではありえないほど早い時間に寝ていました。ただただ、なにをする気にも、配信さえ見る気にもなれなかったんだろうなと今では思います。

こういう悲しい気持ちというのはやはり時間しか解決出来ないのだろうなと思います。まだ2か月も経っていませんが、亡くなったときよりだいぶ落ち着いている気がします。何故なら2月も怒涛の出来事があったからなのですが。それはまた気が向いたら。

 

本当にじいちゃんが大好きです。お盆とかこだわらなくていいからいつでも帰ってきてね。私が死んだとき、じいちゃんのいる世界の方に行ける保障はないけど、もしまた会えたらそのときは一緒になんか作ろ。ほんまにありがとう。

 

 

幕あけ前 感想

 

明けましておめでとうございます。2022年もマイペースに更新していこうと思っています。

 

では今回は、怒涛の北海道遠征観劇旅第2弾で観劇した、yhsさんの「幕あけ前」の感想です。公演から1ヵ月後に感想……時間かかりすぎましたね…。

この公演は後日配信もあるということなので、このあと綴る感想はネタバレありますので配信を見てから読んでくださるとありがたいです。読まなくてもいいんですけどね()

以下、ネタバレありの長文です。

 

 

 

 

 

 

 

 

感想は役名ではなく、あえて役者さんの名前で書きます。

人気ユニット歌手、ファーム・キールの初の2人芝居の本番直前。最後のカーテンコールのリハーサル中。歌詞が覚えられないわ、セットは壊れるわ、衣装もビリビリに破れるわ、挙げ句ファーム・キールの2人の仲は最悪だ、本番まで1時間しかないわという地獄のような本番前の裏側の裏方さんの奮闘劇

演劇関係者からしたら絶対起こってほしくない、夢で見がちな悪夢みたいな出来事を題材にしているお話で、それを舞台でやるというのがすごい。と同時に普段観客からは見えない裏方さんの仕事やどういう役割をされているのかを、この舞台を通して少しは知れたのかなと思う。

まさか着てる衣装がどんどん破れていくとは思いもしてなかった。着る予定の衣装がなんかの拍子に破れてしまうのかなと思ってたら、既に衣装着ててその状態で喧嘩して破れるとか…。わんぱくだなぁ、おい…wそれにしても破れ方がまた破壊力満点で。破れるだけに。能登さんが田中さんに「新島さん(田中さんの役名)!」って爽やかに呼んだらこの衣装直して、だもの。

セットの椅子の壊れ方はこれはこれで動きがすごくマンガチックで面白すぎた。杜花さんが櫻井さんを押したらその勢いのまま櫻井さんが椅子を飛び蹴りするっていう。そして壊れる…。あれどうやってあんなキレイに壊れるの…。壊れた椅子にダボ刺さってたのに(細工を見るな)

田中さんのさ、持ち歌を全力で歌わされるシーン、衣装も相まってかわいさ振り切れてたよね。目潰れるかと思った、かわいすぎて。()そのあとなるみさんがいなくなってからおもむろに帽子投げ捨てて椅子に大股で座ってサイドの髪が少し垂れた感じ、たまらんかったですね。色気…。あのダンスの振り、全部田中さんが考えたっていうんだもの、すごすぎる。(実際にあるアイドルっぽい振りを切り貼りしたとか)

まっすーは、なんというか大きくなりましたよね…(見たのは2020年のヘリクツ以来)身体はボリューミーだけども小心者というか気が弱い感じが、ある意味ギャップがあって良かったのかもしれない。でも気が弱いけど必死にもがいてて自分なりにやれることはやります!と回りの人に頼って助けたくなるような訴え方をするのがまたいいんだよなぁ。そこがまっすーの良さなのかなと。

美術大工師弟、「ん~~~↑?」「あ~~~↑?」の言い方が歌舞伎。だんだん語尾のクセが強くなっていくのも面白かったですね。重堂さんの師匠、敬語なのにかなり煽ること言うっていうギャップが面白かった。師弟で喧嘩してその流れで各々が作ったセット破壊するの狂人すぎる。

なるみさんの社長、確かに嫌な感じではあるけど、そこまで嫌悪感を抱かなかったのは後々の雑な扱いのせいなのか。ww養生テープでぐるぐる巻きにされてるのはお見事でした。養生テープで良かった(剥がしやすい)。

能登さんの舞台監督さんがファーム・キールに呼び掛けるシーンはあまりにも格好良すぎた。全身黒の服もマイクを通して聞こえるお声も立ち姿も全部が合わさってものすごい格好良かったです。「歌詞が覚えられないなんてそんなしょうもない理由で公演中止って簡単に言っていいものじゃないです。」(ニュアンス)

このコロナ禍で通ずる台詞でもあり、響くものがありました。

エレキさんテツヤさんのファーム・キールはもうほぼ出オチで。テツヤさんのマネキン感。そしてやはり背が高すぎる。足がめちゃめちゃに細くて折れないか心配でしたww対してエレキさんは程よく筋肉のついた足で、真っ白に輝いていましたね。良いものを見れました。()

最後のあのライブ感はもう2021年で1番ぐらい楽しかったです。南参さんの登場はズルいです。ww

 

 

単純に、見て起こることに笑って少しホロリとして最後には満面の笑みで会場をあとに出来た舞台でした。こんなに楽しくて幸せなことはないです。

2021年、結構な数の舞台を観劇出来たんですが、この「幕あけ前」が1番楽しかったような気がします。

このあとの劇団コヨーテの舞台も見たのですが、その舞台と同時にこの「幕あけ前」に出られてたエレキさんは怪物だなと思った次第です。すごすぎる…。

 

さて長くなりすぎました。今回はこれにて!